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アカデミックレポート

2011年11月16日

法政大学「社会開発論」にてPOCの講義。


昨年に引き続き、プレオーガニックコットン(POC)の取り組みについて授業に取り入れて下さっている、法政大学大学院環境マネジメント研究科吉田秀美准教授の授業「社会開発論」にお招き頂きました。

法政大学大学院環境マネジメント研究科吉田秀美准教授の授業「社会開発論」

POC、「社会開発論」にて。

講義は全15回。授業目標は、「開発途上国の社会開発や貧困削減への取り組みについて、基本的な考え方を理解する」ということ。吉田先生の今回の授業テーマは、講国連ミレニアム開発目標(MDGs)と国際協力におけるビジネスの役割について。日本企業の事例としてPOCについて、プレオーガニックコットンプログラム事務局の鈴木美穂が講義を担当しました。

ミレニアム開発目標とインクルーシブ・ビジネス

まず始めに、吉田先生から国連ミレニアム開発目標(MDGs)についてのお話。MDGsは2000年9月の国連ミレニアム宣言を基にまとめられた2015年を目標に世界規模で解決を目指す8つの課題です。この課題には貧困撲滅や環境維持、初等教育達成や開発のためのグローバルパートナーシップ推進等が含まれ、プレオーガニックコットンプログラムはMDGsの課題に数多く貢献できることがわかりました。

次に、国際協力の担い手は政府開発援助(ODA)や非政府組織(NGO)、そして民間企業であり、相互作用によって効果的な開発が実現されるというお話。また「BOP市場原理」として、1日2ドル未満で生活する40億人を「消費者」として見ると新たなビジネスチャンスが開拓できるという理論についてお話がありました。そして「インクルーシブ・ビジネス」についてのお話。UNDPはミレニアム開発目標の達成には、民間企業による雇用創出や経済発展が不可欠としています。吉田先生は、貧困層を生産から消費までの各プロセスに取り組んでいくインクルーシブ・ビジネスの仕組みについて、お話されました。

そしてPOCプログラム。「貧困層の生計を直接的に向上させる事例の1つとして、プレオーガニックコットンプログラムが位置づけられる」という視点を皆さんにご紹介下さいました。

プレオーガニックコットンプログラムが紹介されました

開発目標にビジネスとして貢献するPOC

先生からご紹介を受けた後、POCの講義が始まりました。「3分間でわかるプレオーガニックコットン」のムービーを使ってPOCの概要を紹介。また、国連開発援助UNDPの国別データによるインドの貧困状況や教育状況の説明と、POCに参加した農家さんの健康面や総合的な生活面、経済状況における変化の様子について説明しました。

そして、POCを共同運営しているクルックと伊藤忠のご紹介。「快適で環境にもよい未来に向けた暮らしを実践」するコンセプトのクルックが、伊藤忠商事と共同でプレオーガニックコットンプログラムを始めるに至った経緯と両社の役割。また楽しく無理ない形で環境の意識を広げる、年1回開催されるapbank fesの様子も写真を交えながらご紹介しました。

プレオーガニックコットンプログラムの講義

消費は投資

最後に、「消費は投資」であることを学生である皆さんにお話しました。「消しゴム一つ買うことで得る利益は、文字が消せることと価格の安さだけでしょうか。自分が消費しようとする物の製造過程における労働環境は、製造する人たちにとって適切か。作る側の人たちについて、考えてみてください。消費は投資です。みなさんの消費が、自分だけでなく誰かの役に立てるということ知ってください。」

世界で共有する様々な開発課題に寄与するインクルーシブ・ビジネス。将来ビジネスの担い手になる法政大学の学生の皆さんに、消費者として意識できることに少し気づいていただけたら嬉しいです。

POCについてお話する機会を下さった吉田先生と講義に参加してくださったみなさんに、心から感謝しています。どうもありがとうございました!

講義の様子

皆さんの声

講義に参加された皆さんから、貴重なご意見をいただきました。

  • 実際にインクルーシブ・ビジネスに関わる人の話が聞けて有意義な時間でした。インドの綿農家の実際の状況(以前~現在)がわかりプレオーガニックコットンを始めた意味が理解できました。もっと色々なところでインクルーシブ・ビジネスが浸透すると良いと思います。
  • 身近なブランドがインドの農村の役立てているとは知りませんでした。「買い物は自分の投資」という最後の言葉が身に染みました。消費感覚が変わった気がします。
  • 途上国へのアプローチとして、実際に企業が利益を上げながら行う活動のお話が聞けて良かったです。無償のボランティアとは違い、活動によって経済的な発展につながり、各地域や企業にどのような利益が流れているのか具体的に聞けたことが一番の収穫でした。
  • 政府機関よりもNGOやNPOよりも企業は人々に影響を与えると思います。私たちは生きていくうえでは絶対に消費者だし、消費という面での国際協力はすごく有効だということがわかりました。プレオーガニックコットンは、商品を購入することで、インドの人々が生活向上に貢献できるけれど、逆に私が日常に購入している者で、どこかの国の人々が苦しんでいることもきっとあると思うので調べてみたいです。
  • 理想だけでなく現実を前提としてお話しされているところに好感が持てました。大手の有名組織などの”人”が見えない支援、援助よりも”人”の見える支援・援助の方が我々大学生のような年代には触れやすく、こういった機会が将来の支援・援助を作ってつくいくのだと感じました。
  • インドはあまり貧困だと思っていなかったので、少しびっくりしました。カレーのイメージでリッチなのかと思っていました。オーガニックコットンのことを知らなかったので勉強になりました。
  • 商品の一つを買うにも、誰にとっての利益になるのかや、社会的価値を重視したブランドを意識したりするのも、一つ一つは小さなことかもしれないけれど、できることからやっていくことが重要であり、世界を変えていく一歩になると思いました。
  • apbenk fesは知っていましたが内容かは知りませんでした。自分で働いたお金で服を買うので次回からはそのお金がどこに使われるのか気にしてみたいと思いました。
  • 洋服を買うのにも1つ意識をすることで、社会貢献ができるんだなと思いました。貴重なお話ありがとうございました!楽しくPOCについて学ぶことができました!
  • 途上国できちんと支援している会社に魅力を感じます。日本の大企業にどんどん参加してもらいたいです。
  • オーガニックコットンについては、少し知っていましたが、POCについては初めて聞きました。まず、農薬がそこまでひどい悪循環を引き起こしていることも知らなかった。今後、買物をする時の基準が変わりそうです。
  • 今まで社会的企業のことは色々学んできましたが、鈴木さんのお話は分かり易く、説得力があり、「ビジネス」「市場」の面における社会貢献に対するイメージが変わった。就活が少し希望のあるものになった。