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アカデミックレポート

2010年11月26日

プレオーガニックコットンプログラムが法政大学の講義に参加。


2010年11月26日、法政大学の2~4年生を対象とした「社会開発論」の講義にプレオーガニックコットン(POC)プログラムメンバーがゲストスピーカーとして招かれました。

「社会開発論」の講義は、貧困についての講義をしたのち、国連のミレニアム開発目標 についての課題と取り組みを紹介しています。

さらに、国際協力のなかで、インフラ建設などの大規模な開発を支援する援助事業ではなく、住民に近いところで社会問題の解決を目指したアプローチについて、事例を挙げながら紹介しています。

今回、POCプロジェクトに着目いただいたのは、「社会開発論」の担当教授でもある法政大学大学院 環境マネジメント研究科の吉田秀美准教授。

法政大学大学院 環境マネジメント研究科 吉田秀美准教授

彼女は、ODAやNGOに限らず、ビジネスにおいてもその得意分野を生かし、貧困削減に貢献できると考えていらっしゃいます。

そのなかでPOCプログラムに着目されたのは、環境問題への取り組みをきっかけとし、小規模農家の債務や健康問題の改善につながっている点です。

従来のプロジェクトでは、貧しい生産者の支援だけを考えた生産・加工を行う場合が多く、結局、大規模な販路が確保できず、あまり大きな成果を上げられないのに対し、POCプログラムは消費者に近い企業発信の企画であるため、販売規模が期待できるとおっしゃっていだだきました。

POCプログラムメンバーからは伊藤忠商事株式会社 繊維カンパニー 中村延靖、小松哲、株式会社クルック 商品開発事業部 江良慶介が登壇。

まずは伊藤忠商事の中村と小松より、POCとは何か? そして、POCプログラムがどのような活動を行っているのかについて、スライドやムービーを使い、簡単な説明を行いました。

伊藤忠商事株式会社 繊維カンパニー 中村延靖、小松哲

また、株式会社クルックの江良より、サポートしているインド農家の現状やPOCプログラムの意義、そして今後の課題などについて事例を使って説明を行いました。

株式会社クルック 商品開発事業部 江良慶介

POCプログラムの活動は、2008年から種植えを始め、2009年、2010年と3年間活動をしてきており、参加農家は1年目が約600農家、2年目は約800農家、3年目は約1000農家と、サポートする農家数を増やすように努力をしながら活動を続けています。

江良は「最初はPOCの効果に半信半疑だった農家さんもいましたが、POC参加者が成功するのを実際に見て、多くの方が参加を希望するようになりました。しかし、たくさんの参加希望者がいても、私たちが売れる量以上に参加者を増やすことはできません。その意味では、POCを広く使ってもらうことが大事で、インド農家のプログラム管理と同じくらい、もしくはそれ以上の力をかけて、POC製品を売っていかなくてはいけない」と説明しました。

POCプログラム

POCプログラムは、よいことだけを行う慈善活動だけをしていても続きません。
ビジネスとしての構造をつくり成立させていくことで、継続的な活動へとつながります。

講義終了後、聴講してくれた学生のみなさんに質疑応答をいただき、感想を書いていただきましたので、ここでいくつかピックアップして紹介します。

  • ビジネスとしての援助プロジェクトは持続的であるし、現地の人の行動や考え方も良い方向へ変えることができると思うので、非常によい取り組みだと思いました。クルックとしてほかにもいろいろされているということだったので、どんなことをしているのか気になりました。
  • 安いものを買いたい気持ちが強くありましたが、とても今回の講演でコンシューマーとしての在り方というのを考えさせられました。
  • 損がどうしても出てしまうように思いました。いくら途上国の人のため、環境のためとはいえ、やはり不景気ですから売れるのかが疑問に思いました。
  • 世界での農薬使用量のうちの25%もが綿花に使われていることに驚きました。自分の好きな洋服メーカーもプレオーガニックコットンにかかわっていることがわかったので注目してみたいと思います。プレオーガニックコットンに参加したい農家が急激に増えることで買い取り価格が下がる心配がないのかが気になりました。
  • インドのコットンの写真を見たとき、あたたかい雲を思い出しました。実際、洋服を買うとき、コットンの割合を見るときはあるのですが、特にオーガニックコットンと書いている商品をあまり見かけたことがない記憶があります。これからもっと多い商品に使用できたらいいと思います。私も応援します。
  • 最近は一般消費者でも環境への意識が高くなっていると思うので「プレオーガニックコットン」というプレミアとかブランド力(?)をつけてもっと広めていってほしいです。
  • CSRやビジョン経営を勉強しているので、総合商社としての本業でのCSRというのが難しいなか、実現されているのは魅力的だと思います。
  • 農家に日本の企業が支援している話を聞けておもしろかったです。農業自体を支援するのもいいですが、たとえば教育などに手を出すというのもできないだろうか。現地の人が農薬を原液で使うのは、その危険性がわからないというのがあるため、字について教えたり、農薬について教えたりできないだろうか。そのほうが、コットンの育て方を工夫できたりするのではと思いました。
  • 無償で行う単なる慈善事業ではなく、利益を求めながら長期間続けられるようにやっているということ、そして自らの経営を行いながら環境のことを考えながらやっていくということは本当に画期的だと思いました。
  • 企業には、今、CSR活動は必須の事業であるとされていますが、そのなかで自社の強みであるものを戦略的CSR活動として行っている企業はまだまだ少ないので、やはり目のつけどころが違う! と思いました。
  • いつもの授業とは違う話が聞けてとても面白かったです。POC事業を進めることで健康被害だけでなく借金問題や土壌改善もできるなんてすごいと思いました。正直POCは授業で聞くまで知らなかったので、今回お話を聞くことができて本当によかったです。

今回、POCプログラムについて学生の方々にお話しできる機会をつくっていただき、とても有意義なものとなりました。ありがとうございました。想像以上にPOCプログラムに対し、真剣な意見や質問をいただき、考えさせられることも多くありました。

この講義を受けた学生のみなさんが将来どんな活躍をされるのかがとても楽しみです。

POCプログラムの講義を受けた学生のみなさん